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音影列伝 第十四章

四人になった音影は、次々と新しい楽曲忍術を生み出し、今まで以上に精力的に様々なイベントに出演し、着実に仲間を増やしていった。

しかし、事ある毎に敵の刺客が襲ってきた。

敵も様々な忍術を使い、7月17日の吉祥寺SEATA公演では小日向奏亮の動きを完全に封じたりもしたが、共演したアーバンギャルドのドラマーである鍵山喬一氏が、実は小日向三大傑作の一体、小日向喬一郎だった事を明かし、音影を助けた。

時には自力で、時には仲間達の助けを得ながら戦ってきた音影であったが、10月11日の大塚DEEPAで大きな動きがあった。

公演中突然登場したのは幻太狼に瓜二つの幻心であった。

幻心と幻太狼は、それぞれの父親が双子同士だから似ているという事であったが、という事はつまり、幻心の父は、幻太狼の父、幻龍斎の兄であり、幻魔忍軍の統領である幻朧斎なのであった。

幻心の忍術により楽曲忍術を封じられ、苦戦を強いられた音影であったが、星夜の捨て身の攻撃により敵に隙が生まれ、その機を逃さずに楽曲忍術を使って敵を撃退した。

安心したのも束の間、今までとは比べ物にならないくらいの不穏な空気が会場に漂った。
遂に幻朧斎が現れたのだ。

幻朧斎を倒すべく攻める音影であったが、まるで攻撃が通じない。
それもそのはず。
幻朧斎の実体は異次元にあり、姿だけこちらの世界に投影するという忍術を使っていたのだ。

幻朧斎は、幻魔忍軍は異次元転生之術の改良に成功し、その術を使いこちらの世界に攻め込み、支配するつもりであると言い残して去って行った。

こちらの世界に敵が攻め込んできてしまうと、こちらの世界の何の罪もない人々が危険にさらされてしまう。
そうならない為にも、音影は異次元の忍の里に帰り、敵を倒しに行く事を決意した。

李維、鬼丸、奏亮の気持ちがひとつになったところだったが、星夜はこちらの世界でやり残した事があると、一緒に異次元には行けない事を告げた。

元々星夜だけはこちらの世界で生まれ育った。
そして万が一こちらの世界に何かあった時に音影の誰もいなかったらそれも危険だ。

音影は苦渋の決断をした。
こちらの世界は星夜に任せ、三人になった音影は異次元へ帰り、幻魔忍軍との最終決戦に備えるのであった。