武蔵坊 鬼丸伝


武蔵坊弁慶の血を引く名門の家系に生まれるが、生まれつきの病で鬼のような容貌だったため、忍の里の中でも質の低い者の落とされる貧民街に捨てられ、そこで「鬼っ子」と忌み嫌われながら育った。

孤独な環境の中で己の身体を鍛える事のみに生き甲斐を見出し、残酷な殺人術や武器術を独学で習得。そんな環境のせいか、いつしか世の中全てを敵視するようになり、世界への復讐のために、貧民街の人々、そして自らを捨てた親兄弟を皆殺しにした。

復讐は達成したものの心が満たされる事は無く、無気力な逃亡生活を送る中、自分を怖がらない盲目の少女、茜と出会った。その出会いにより、いつしか心も穏やかになり、茜を大切に思う事によって人の心を持つようになった。

孤児だった茜を養うために盗賊となり、数多くの盗みを働いたが、盗みの標的は常に悪人の家のみで、盗んだ金を貧しい人に分け与えた事により、義賊と呼ばれるようになった。

しかしある日、鬼丸の留守の間に、たまたま通りかかった政府の役人である黒賀白兵衛に茜が陵辱され、証拠隠滅の為に無残にも殺されてしまった。

茜 のダイイングメッセージにより犯人を知った鬼丸は、怒りと憎悪を極限まで高められ、再び鬼となって黒賀の屋敷へ復讐に向かうが、黒賀白兵衛は政府高官だっ たために、独自の情報網から鬼丸の復讐を察知。金の力で煩悩隊と呼ばれる108人の殺人忍者軍団を雇い、待ち構えていた。決死の覚悟の鬼丸は100人斬り を達成するも、あと一息の所で力尽き、囚われの身となってしまった。

絶 望と憎しみを抱えながら牢獄に入り、またもや人である事をやめ、復讐の為に生きる羅刹となることを決意したが、そんな時にどこからか牢に手紙が投げ込まれた。読んでみるとそれは李維からの手紙で、鬼丸の深い哀しみを理解し、さらに我等それぞれ敵は同じであるという内容がしたためられていた。

つまり、茜を陵辱した役人、黒賀白兵衛と、腐敗しきった忍の里の長、幻朧斎は、お互い結託して私腹を肥やしていると言う事だったのだ。

怒り心頭に達した鬼丸は、いてもたってもいられずに自力で脱獄。するとそこには待ち構えていたように李維達の姿があった。鬼丸は何も言わずに自身の隠し財宝を李維達に全て差し出し、共に闘っていく事を決意したのである。

音影としての戦いは熾烈を極め、瀕死の危機に何度かさらされたが、最終的には異次元に攻め込み、茜の敵である黒賀白兵衛も倒し、平和を取り戻した。